大学時代、親友との合言葉は「世界を広げる」ことでした。
授業は最低限の出席にとどめ、視線は外へ外へと向いていました。
あまり大したことはできなかったのですが、
結果的に人間関係が拡がり、高校時代とは比にならないほど、
視野が大きく広がったのは大きな収穫でした。
「人との出会いは、新しい自分との出会い」という言葉を実感できた
大学時代だったように思います。
昨年スタートした、大学1年生向けの連続講義の最終回。
毎回、授業の冒頭で「chance→challenge→ change」の姿勢で望むようにと伝えています。
与えられた「機会」に「挑戦」して「変化」を起こしてほしいと。
「コミュニケーション」をテーマに、自らが他人と話したり聴いたりする
ペアワークやグループワークに多くの時間を割いていますし、
くじで席を決めるので、大半が、毎回初対面の人と対話をすることになります。
仲のいい、似た者同士だけでコミュニケーションすることに慣れているため、
強い抵抗を感じたり、戸惑ったりすることが多いようですが、
次第に慣れてきて最終回を迎える頃には、自分とは異なるタイプの人と話す
楽しさを知り、学内で挨拶し合える知人が増えたりもしているようです。
そして、モノの見方や考え方・価値観の多様性を知り、
異なるタイプの人と接することの面白さを知ること、
お互いを大切にしあえるコミュニケーションのコツをつかめるステップへと
進んでいけるようにしています。
大学時代のスタート時点で、そういう実感を得ることで、
ゼミや部活やアルバイトなどのシーンでも、人との関わり方が変化するといいなと思っています。
なんて偉そうなことを言いながら、
私も、異質な人とのコミュニケーションは、まだまだ発展途上なんですけどね。
でも、これから大学生が出ていく社会は、これまでよりも一層
多様な人たちとの、柔軟で臨機応変なコミュニケーションを求められます。
私達社会人も、同時にそれを求められているわけですが、
みずみずしく、しなやかな感性を持っていて、あっ!という間に目を見張るような成長を
遂げていける時期を生きている大学生には、きっと敵いません。
もっと自信を持って、どんどんチャレンジしてほしいと願いながら、
私たち大人がそれを阻害していないかな・・などと気を払いながら、
いつも学生さんたちの前に立っています。
今、大学生向けにしている仕事は、何も知らない無謀で生意気な学生だった私を
「けしからん」などと否定せず、時に真剣に叱りながら、温かいまなざしで見守り
育ててくれた大人や仲間達への、恩返しかのかもしれません。
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